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JACROW「くろはえや」を観て [演劇]

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シアターカンパニーJACROW(ジャクロウ)シアターカンパニーJACROW(ジャクロウ)

数年前、改革を掲げた作家上がりの知事が来て、
「脱ダム」運動が盛り上がった長野県。
その中ほどにある下諏訪町は古くからの温泉街だ。
7年に1度の祭りのときには賑わうし、
夏の花火大会もそこそこ人で埋まったりもするが、
普段は観光客の大半は素通りする町である。
なんてったって町唯一の娯楽施設である映画館は
もうずいぶん前につぶれてしまったし、
ようやくできたコンビニも町の中に1軒だけ。
しかもしばらくは本当に11時に閉まっていたという。
つまりはそんなよくある地方都市。

平成18年7月、
九州に多大な被害をもたらした雨雲が
ここ長野県中部地方を襲う。
未明に降り出した雨は記録的な降水量に達し、
町役場も緊張した雰囲気に包まれていた・・・

今回、再び吉水恭子の筆による本公演。
「土地の呪縛」をテーマにした地方都市の話である。
いつもと同じ吐き気がするほど濃密な空気を。ここで。

評価は、星4つです。
★★★★☆

観劇後に美味い苦いコーヒーを温めで飲んだ感じを味わった。
これがJACROWの持ち味だと思ってますし面白かった。
ラストの父の背中はグサッときた。

そして会議での論争は相変わらずの見応えあり。
このどうしようもない外連味がいい。
四十割でもう一度見たいです。

徹の何処に行っても呪縛される思い、
ダムを巡る有り無し論、
五味の暗い思いなど、
行き場のない論争が、
行き場のない豪雨の水と相まって、
どうしようもなさをずっと感じる90分でした。

当たり前なのだが役所の人間も地元民な訳で、
改めて災害時の難しさを思った。

髭のない谷仲さんを初めて見て、
そして小平さんのくせっ気は流石でしたね。

時間堂の菅野さんは、
スッとした役しか見たことなかったので、
あの粘着的なぬるっとした感じが、
ゾッとして、彼の語る「心配」という言葉が、
後先で印象が変わるのが怖かった…

あとキムタクはいましたねw

「公私混同」が許されるのは都知事まで大丈夫と劇中の台詞から思ったり、
おおさか維新の会から立候補のやっしーの顔が表紙な本が飾ってあったりと、
政治に関して想いを馳せさせるそんな夕方。

縛られることは不幸でもあるが、居場所があるというのは幸福でもあるのかな?

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