SSブログ

スポンサーリンク


テアトル・ド・アナール『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行“──およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない”という言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか?という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語』凱旋公演を観て [演劇]

thumb_IMG_9918_1024.jpg
Théâtre des AnnalesThéâtre des Annales

弾丸飛び交う第一次世界大戦・ヨーロッパ東部戦線。泥まみれの塹壕の中、男は考え続けていた。
──我々は、何のために生きているのか? 私にとって、幸福とは何か?
「言葉」とは何か? 我々は何について語り得るのか?
論理的に「言葉」を分析することで「生の意味」を見出そうとした男、その名をルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン。
後に二十世紀最大の哲学者と呼ばれる男。

評価は、星5つです。
★★★★★

劇場はSPACE雑遊で上演です。
アゴラ劇場とは違って正面に舞台がなく、客席が<の形で挟んだ中に舞台がありました。
これ劇中で寝るシーンあるけど、どこで寝るのだろうと思ったのですが、
最前列の客の足下で寝る荒技でしたね。(・∀・)スゴイ!

その為、あの暗闇のシーンは臨場感がMAXだった。
あれを毎日数か月やってたら発狂しますね。
塹壕戦は地獄で哨戒塔に上がる気持ちが分かった。

目の前で繰り広げられる問答。
舞台との距離が近いので、議論がものすごく頭に入る。
そしてウィトゲンシュタインが気付いた瞬間の空気にゾクゾクした。
(あの古河さんの表情)
点と点が繋がった瞬間の歓びが凄く感じることができた。

ランプの光の頼りなさを最初に感じたが、ラストではその灯りすら欲してしまう。
全ては「およそ語り得るものについては明晰に語られ得る。しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない」なのだ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇


スポンサーリンク