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「わたしが悲しくないのはあなたが遠いから」イースト版を観て [演劇]

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フェスティバル/トーキョー17主催プログラム『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』
https://www.ft-wkat.com
これは距離についての演劇。
かつては近く、今は遠くなってしまった、友人関係の物語。
離れたものを思い続けるのは、難しい。でも、ない、わけではない。
それは、幽霊のように、常に隣に、ある、のではないか。
本作は東日本大震災の自身の体験がきっかけになっています。
幸いにも僕はまだ死んでいません。
悲劇に遭遇したこともありません。
そんな僕の隣に何があるのか、そんなことを考えました。
台湾との共同制作は幸運な偶然でした。
本作は偶然を積極的に取り入れようとしています。
偶然に身を任せることが、自分を遠くへと誘う近道だから。
どちらも海で隔てられた小さな島。時差は1時間。
この物語も1時間の音楽と共に上演される予定です。

誰も同時に観ることは叶わない演劇。僕も楽しみです。

評価は、星4つです。
★★★★☆
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二つの隣り合う劇場を使用するので、劇場入り口が二つに分かれていました。
まるで空港のロビーみたいに。

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観劇前には気が付きませんでしたが、
観劇後には私たちも一緒に旅をしたのだと分かりますね。

まずウエストではどんな感じだったのか気になる…
そしてこの当事者でない感がリアル。
ずっと私が思っていたことと合致。
ラストに貰い泣きした。

僕らは生まれた時に既に壁の向こう側に居て、
壁の向こう側は分からないのだ。

被害者にしか分からない気持ち。
当事者でない者が想像して寄り添っても、それは部外者の我儘である。
だからといって見て見ぬ振りは出来ず、想像しないよりはした方がマシであり、
それがジレンマなのだ。

言葉に出来ない感想しかなく、ただ感じるままの演劇でした。
そして観劇後には考えることになる。
とても素晴らしかった。

ただ壁の向こう側には同じ人がいると思うだけでいいんだと思う。
当事者と同じにはなれないのだから。
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