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「昭和40年のクロスロード」を観て [演劇]

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斜交(しゃっこう)~昭和40年のクロスロード|水戸芸術館ACM劇場プロデュース斜交(しゃっこう)~昭和40年のクロスロード|水戸芸術館ACM劇場プロデュース

取調室、
最後の十日間
東京オリンピックの興奮が冷めやらぬ昭和40年。日本中が注目する誘拐事件の容疑者の取り調べが始まった。刑事に許された期限は、十日間。三度目の取り調べとなるこの機会を逃したら、もうその男を追及することはできない。警視庁がメンツをかけて送り出したこの刑事の登場に、取調室は最後の格闘の場となった。

水戸遠征して観に行きました。
休憩ありで2幕の公演でした。

実際の事件の「吉展よしのぶちゃん誘拐事件」(昭和38年発生)を元にした、
劇団チョコレートケーキの劇作家の脚本なので観に行った次第です。

ベテラン刑事を演じる近藤芳正さんの鬼気迫る追い込み。
それでも黙秘やらとぼけてなんとかかわそうとする犯人。
警察の取り調べを2回も切り抜けていて、手の内がわかっている犯人を落とせたのは、
刑事の暴力でもなく、アリバイを崩した事実と親の愛であった。

犯罪者でも人なのだ。
そして被害者も人だ。

科学捜査を信じ、そして暴力による取り調べを否定する若手刑事。
確かに人権は大事である。でも殺された側の人権は?
でも冤罪は暴力と思い込みによって作られる。

その狭間に入る前の最期の事件を見たような気がする。
刑事の雑談に一瞬緩んで答えてしまった日暮里の火事。
そこでアリバイが崩れるとは。

昭和の刑事の最後の事件かもしれない。


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