橋を渡ったら泣け
http://www.caramelbox.com/stage/hashinake/index_f.html

『橋を渡ったら泣け』
を観てきました。

評価は、星4つです。
★★★★☆

【ストーリー】
明日かもしれない近未来、大災害により地上のほとんどが海に沈んでしまった。
信州・乗鞍岳には、水が湧き出る場所と、缶詰が残された工場があり、生き残った6人が共同生活を送っていた。
自分たち以外の人類は死滅してしまったのか、地上から文明は失われてしまったのか。
先の見えない未来への絶望を感じながらも、平和に暮らしていた6人。
そんな日々が3ヶ月ほども過ぎたある日、パンダの遊覧船で1人の男が流れ着く…。


キャラメルボックスの若手公演です。
演出は成井さんでなく、同劇団の役者の大内さんです。
キャラメルのいつもの演出では、
音楽が主役かと思うくらい、音楽が重要で主題歌まで
あるのですが、今公演では音楽は効果音だけで、
全くの無音でした。

ですが、この演目では、音楽がないというのが、
逆に人類が絶滅したかもしれないという状況を、
ある意味表していて、よかったです。

最初、流れ着いた佐田山と井上が出会うシーンで、
あまりの退屈さに帰ろうかと思いましたが(笑)、
後々、この世界が大災害が起きて、
小さなコミュニティだとわかると、
あの二人のおかしな遭遇の意味が分かって、
やっと芝居に集中できました。

人がその立場によって、自分の知らないうちに
狂っていく様が、怖く感じました。
若手公演と売っていますが、
キャラメルの本公演で場数をこなしている人達なので、
安心して、見れました。

皆良かったのですが、
個人的に印象に残ったのは、
小林千恵さんと阿部丈二さんでした。
小林さんは、唯一生き残った夫婦役で、
夫を叱咤する強い奥さんであり、
自我というか正気を保ったままの人ということで、
狂った栗田を叱咤するところなんて、
迫力にビックリしました。
阿部さんは、男の強さを持った佐田山を好演していました。

大きい劇場よりも新宿シアターモリエールのような、
役者の息づかいまで、感じることの出来る劇場の方が、
芝居は面白いですね。
ちょっと癖になりそうです。