SSブログ

スポンサーリンク


「NHKにようこそ!」 著者:滝本竜彦 を読んで [本]

NHKにようこそ!

NHKにようこそ!

  • 作者: 滝本 竜彦
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/06/25
  • メディア: 文庫

~あらすじ~
巨大組織の陰謀は、たしかに存在する!
大学中退以来、外出するのはコンビニに行く時だけ。
友人の数はゼロ。
睡眠時間 一日十六時間。
そんな生活が四年目に突入する佐藤達広 22歳。
彼は気づいてしまった。
大学を中退したのも、無職なのも。
六畳一間のアパートから出る事ができないのも。
すべて巨大な悪の組織、N・H・K(日本ひ○こ○り協会)の仕業なのだと!


読後感はネガティブハッピー・チェーンソーエッヂと
同じでした。基本的に起承転結の展開は、
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂと同じですね。
主人公が高校生(やる気のない日々を鬱々と過ごす)から、
ひきこもりになったというだけです。

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂでは、
主人公の友人(事故死)とのやり取りから、
わかるように生きていればそれでいいという、
人間謳歌の結末でしたが、
それは主人公が高校生であり社会に属しているからだと
思います。

その前作で生きていれば、それでいいという状態を
全力で否定したような今作の主人公の佐藤。
ただ生きているだけのひきこもりが主人公です。
ただ生きているだけが辛いという状態です。

そんなひきもこもりの佐藤の周辺も不幸の山です。
高校時代の先輩(のリストカット)。
高校時代のロリコン専門学生の後輩の山崎(実家の父倒れ、家業を継ぐ)。
謎のプロジェクトに勧誘する謎の少女の岬(継父に虐待、引取先が宗教)。

物語を通して、主人公の佐藤の駄目さ加減が最高です。
現実逃避に合法ドラッグをやり、
日々を陰鬱に過ごしています。

そんな佐藤も岬と知りあり、山崎と再会し、
徐々に世界が変わるようで変わらない馬鹿な日々が
描かれていきます。

ラストには結局、現実は変わっていません(佐藤は)。
ですが、佐藤がひきこもりの無職からひきこもりのフリーターに
なっているので、1年でわずかな進歩があったんだと思いますし、
自ら動くことで、周囲が幸福になりました。
先輩に子供が出来、後輩もロリコンから卒業し、
岬も大学に行きました。

須藤元気の本に、他人を変えることは難しい。
まずは、自分を変えると世界が他人が変わるといっていました。

作者は、この後小説書けない病に冒されて、
作品を書いていませんが、自叙伝的な作風を持ち味とする
作者にすれば、高校時代を消化し、大学(ひきこもり)時代を消化すれば、
もうあとは未来の出来事か想像しかないわけで、
引き出しに何も残っていないんだなと思います。

この作品で、佐藤の心の叫びが、
全てを物語っていますし、凄い同意できます。
結局は、前を向いて少しずつ小さな一歩からはじめるしかないんだと
思います。佐藤のように。
いつかはいつかは…きっと…


【楽天市場】楽天ブックス
NHKにようこそ!

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0



スポンサーリンク