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「クロノス」 を観て 後編 [演劇]


<公式サイト>
http://www.caramelbox.com/stage/chronos/index.html

演劇集団キャラメルボックス
2005クリスマスツアー タイムトラベルシアターVOL.2 『クロノス』 
を観てきました。

評価は、星4つです。
★★★★☆

「スキップ」に続く、原作ものです。
成井さんは、よくハテナ通信で、作品の元ネタを紹介して、
いますが、今までインスパイアしたものより、
はっきり原作として使用した作品の方が面白いです。
まぁ特に最近新作が面白くないので、そう感じるのですかね。
再演だと面白いのですが、
それは作品として洗練されていくから、当然ですしね。

今回は、梶尾真治さんの「クロノス・ジョウンターの伝説」が、
原作です。

あらすじは、主人公が中学から片思いしている女性と、
社会人になってから偶然に再会。
積年の想いを果たせべく行動する主人公。
やっと想いが通じはじめた矢先に、事故に巻き込まれ、
憧れの人が死亡。
主人公は、開発に参加していた、タイムマシンの
クロノス・ジョウンターを使用して、過去の彼女を助けに行く。
というお話です。

ただ、タイムマシンの設定で、過去の居られるのは数分で、
数分後は、元の時間に戻らずさらに未来に飛ばされるという
ことになっています。

菅野さん演じる主人公の吹原和彦は、
岡内さん演じるヒロインの蕗来美子を救う為に、
何度もクロノス・ジョウンターを使用します。
その度に、身体を傷つけ、時を越えていきます。
1回目は2週間後、2回目は数ヵ月後、3回目は数十年後、
ラストは、数千年後に飛ばされます。

結局、ラストの移動で、蕗来を救うことが出来ますが、
その等価交換として、吹原は数千年後に飛ばされます。
恐らく身体も磨耗するので、吹原は飛んだ先で死んでいます。
クロノスは、時の神のことだそうで、
結局、神を超えることは出来ず、
人の命(運命)を救う為に、同じ人の命が必要だったという
ことでした。

私も片思いをよくします(高校時代は3年間想っていた)ので、
吹原の気持ちは理解できなくはありませんが、
それでも、彼女の為に命をかけてまで救おうとする行動が、
理解できませんでした。
劇中で、西川さん演じる野方と同じ思いを抱きました。
恋人や女房ならわかりますが、
まだ思いが伝わっていない片思いの人に、
命はやっぱり懸けられません。
それでも、吹原は懸けていきます。

最後に蕗来を助けて、
自分の思いを告げた吹原は満足な状態でしょうが、
その思いを知った蕗来は、残されてどうなったんでしょう?
その重過ぎる想いは、彼女の鎖となってしまって、
その後の人生に影響を受けたのではないでしょうか?
たぶん、彼女は、2回目のTRYをする吹原と会って、
そこで、ハッピーエンドとなるのかと思いますが、
その時点で、やっぱり蕗来の命を助けた
4回目のTRYをした吹原は死んでいて、
そこからはパラレルワールドになるのかなと思います。

感動はしましたが、
やっぱり吹原の行動に対して感情移入できなかったので、
お話としては、しっくりきませんでした。
ですが、菅野さんの熱演は最高でした。

気がつけば、このクリスマス公演は、
岡田さん・大内さん・篠田さんという中堅男性陣がいないのですよね。
それでも、成り立っていたのは、菅野さんの存在感なのですかね。

あとは、 實川さんのナース姿に(〃▽〃)キャー♪
と藤岡さんが女になっていたなぁということを考えました。

来年の予定には、
なんと!!劇団M.O.Pのマキノノゾミさんが演出するという
「俺たちは志士じゃない」があるそうで、
これは非常に楽しみです。


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コメント 2

アキタ

はじめまして。
この間観てきたのですが、
自分も原作を読んだ段階では会話もろくにしたことを無い人の為に命を捨てる事が出来るのだろうかと思いましたが、お芝居ではもっと長い月日の思いがあり、コミュニケーションもとっていたため、感情移入は出来ました。
ただ、あの行動は衝動的なものだったのでしょう。
電車のホームから落ちた人を助けるために命を失う事になってしまった人のように。
それは劇中、自分のもとに向かっている両親に合わずにタイムスリップに向かう姿に垣間見えました。
ただやっぱり、自分にそんな事が出来るかといったら考えてしまうけど。
by アキタ (2005-11-29 17:52) 

しゅうめい

>電車のホームから落ちた人を助けるために命を失う事になってしまった人のように。
そういうことかと、モニターの前で納得しました。
加藤さんのブログの写真を見るたびに、
もう一度観てみたいなという思いが強くなってきています。
次は吹原の一途な想いが少しでも理解できるかなと思うので。
平日は行けないので、横浜公演が狙い目かな。
by しゅうめい (2005-12-01 01:00) 

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