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風琴工房「おるがん選集 3」を観て [演劇]

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風琴工房「おるがん選集 3」
http://windyharp.org/senshu2013/index.html
「物語が、始まる」
川上弘美
 ひとり暮らしのゆき子はある日、男の雛形を拾う。
雛形は成長し、成人の男性のように見え るものとなる。
なんの気なしにはじまった雛形との生活は、恋人との関係や、ゆき子自身の生活に浸食し、 恋人とも家族ともいえない関係を切り結んでいく。

「痩せた背中」
鷺沢萠
今は東京に暮らしている青年は、父親の訃報で故郷に帰る。
そこは、父の後妻である美しい女と、父、 三人での忘れえぬ、しかし現在も青年に影を落とす思い出の詰まった場所であった。
父の葬儀で、童女に 返ったかのような女と青年は再会する。

評価は、星4つです。
★★★★☆

劇場でなくアトリエ公演ということで、
特殊な環境で観劇しました。
それはアトリエと言いつつ民家だからです。

演目が2つあるので途中で、
お客とキャストが協力して座席を転換するという面白い体験をしました。

「物語が、始まる」ですが、
目の前で繰り出される愛憎劇にドキドキしながら観劇。
嫉妬に陥る光景を目の前で、セットというか民家の一室となると、
これが現実かと錯覚を起こしそうな距離感でした。

「痩せた背中」ですが、
こちらも目の前に焼き魚が出されたり、
隣の部屋を使ったやり取りが、
隣に遺体があって通夜の夜のような妙なリアリティがあって、
心に響きました。
こちらもすれ違った末の男女の悲哀を出していました。
原作本を読んだあとで、この演劇版を思い出すと、
青年と同棲している女性とのやり取りが追加された分、
原作よりメッセージ性が上がって良かったと思います。

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