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芝居屋風雷紡『赤き方舟』を観て [演劇]
次回公演 | huuraibou
世界を変えたいと思っていた 世界を変えられると、 そのためにはなにを犠牲にしてもやり遂げなければならないと信じていた あの頃 銃の重みに震えた手を見つめながら 今 あの頃と変わらぬまま静かに腐っていく世界を見つめ 私たちは 何を思い何を感じるのだろうか 世界を変えたいと足掻いた あの頃の私たちに 1970年代から80年代にかけて、世界中を震え上がらせたテロ組織・日本赤軍。 彼らが掲げた理想は何だったのか。 そして、なぜあの頃と変わらずに世界には戦争や貧困が存在し続けるのだろうか。 芝居屋風雷紡が日本の夏に贈る、一つの、微かなシュプレヒコール。
コロナ感染後の初めての演劇。
上演時間75分でよかった。
あのリンチシーンは演劇でも、衝撃度が凄い。
これを90分は見たら、心が壊れる。。
史実は12人も自己批判の成れの果てで犠牲になったいうのが恐ろしい。
でもあの場に僕が居たら同調するしかないと思う圧はあった。
舞台からそれを感じて、客席で手を叩きそうになるのだから…
左翼の全世界革命の種火を乗せた方舟の筈が、その残り火も消してしまい、
方舟が浅間山荘で座礁する原因にもなったと思うと確かに赤き方舟である。
それは共産主義の赤でなく血の色だが…
2年も経つと雪乃さんは大人になってますね。親戚のおじさんの気分を味わう(笑)
遠山、重信、永田と同世代の女性の生い立ちを丁寧に描いていて、
それぞれがなぜそうなったのかの片鱗が垣間見え、父親という「男」に影響を受けている様が描かれる。
面白いのは男女差別が当然だった時代に、
「男」と同等の力を求めるが故に、暴力や武力にそれを求めた重信と永田。
「女」という事を受け入れている遠山。
重信から見た遠山と永田から見た遠山の違いが悲劇を生む。
森の正義、永田の正義、重信の正義。
共産主義の正義。
ソ連が崩壊して、その残火のプーチンの正義。
どれも当人にとっては正義だが、大衆とはズレてしまって、それが故に孤立を深めていく。
どうすればその正義を正せたのか?
客席に向けられた銃口を前にただ無力を感じる…
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