劇団チョコレートケーキ「一九一一年」を観て

第34回公演『一九一一年』映像配信／北海道公演 | 劇団チョコレートケーキ

「一九一一年一月、私は人を殺した。」
一月二十四日から二十五日にかけて、
十二人の男女が得体の知れない力によって処刑された。
日本近代史にどす黒い影を落とす陰謀がそこにあった。
何が十二人を縊り殺したのか？

1911年1月24日、25日。12名の社会主義者の死刑が執行された。いわゆる［大逆事件］。

2011年、
「あえてこの手垢のついた［大逆事件］という素材に取り組み、新しい視点でもう一度この事件を掘り起こすような作品を上演したい。」という企画意図のもと王子小劇場にて上演。
彼等を葬り去った大日本帝国という大きな権力装置の内部の人間にスポットライトを当てた『一九一一年』は
その年の佐藤佐吉賞2011で優秀脚本賞(古川健)、優秀主演女優賞(堀 奈津美)を受賞した。

劇団チョコレートケーキのターニングポイントとなった作品、10年ぶりの再演。

この時代でも忖度、権力の座を降りない老人と現代の話に繋がってる。
そしていつもヒラの役人が責任を取るのだ。
誰も指示していない。
同調の空気が圧となって、何もない指示を実行させる。
1911年から2021年。
110年経っても変わらない、この国の暗部である。

元老院のような森前会長、赤木ファイルのような予審の調書。
女性の権利。何もかも進歩してない。
東京裁判が事後法で裁かれたと同じように、大逆事件も大きな声で語れない司法の暗部だ。
現場の抵抗、司法の独立などは権力の前には無力。
今回も甘くないチョコでした。

セットが積み上げられた机で、
あの高さのものが迫ってくるのは圧でしたね。
目に見えないのを見せた感じ。
そして、死刑囚の格好をした人々。
実際の数と同じ。。
これも圧がすごかった。

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