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イキウメ「関数ドミノ」を観て [演劇]
ある地方都市で奇妙な交通事故が起こる。
見渡しの悪い交差点、車の運転手は歩行者を発見するが、既に停止できる距離ではない。
しかし車は歩行者の数センチ手前で、まるで透明な壁に衝突するように大破した。
歩行者は無傷。
幸い運転手は軽傷だったが、助手席の同乗者は重傷。目撃者は六人。
保険調査員の横道はこの不可解な事故の再調査を依頼される。
改めて当事者と目撃者が集められた。
そこで目撃者の一人が、これはある特別な人間「ドミノ」が起こした奇跡であると主張する。
彼の発言は荒唐無稽なものだったが、次第にその考えを裏付けるような出来事が起こっていく。
評価は、星4つです。
★★★★☆
再々演の演目であります。
再演は観ていました。
オチを知っていながら、ラストでガーンとやられました。
再演時は、設定が学生を中心とした物語であり、
陰鬱と他人を妬み攻撃する若さ故の過ちの物語でしたが、
今回は30代の社会に根付いた者達への、
レールから脱線した者の妬みという構図になっており、
深刻度というか、救いのない感じが増していました。
再演時は保険調査員を演じて大人側だった安井順平さんが、
今回は本当はドミノだった目撃者を演じるのが面白かったです。
再演時のラストは「力」を使うかもという希望がありましたが、
今回のラストは「無」というか世界を否定した結果となり、
救いがない、ちょっと怖いラストでした。
でも、時代に合っているような。
氷河期世代としてはドミノが欲しいですが(笑)
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